Karada Quest.

トレーニングを通して ビジネスパフォーマンスの最大化に挑戦するブログ。ここでいうビジネスパフォーマンス最大化とは「常に全力を発揮できる」ことを指します。全力を出せないのに成果も成長もありません。オフィスワーカーの皆様の為になる情報を発信できればと思っています!

Vol.7 熱中症とビジネスパフォーマンス

こんにちは!

毎日うだるような暑さが続いています。

死亡者数も連日過去最高を更新している熱中症。ビジネス上のコンディションにも大きく影響をあたえます。

今回は熱中症のメカニズムとその暑さの中でいかにパフォーマンスを維持していくかをお伝えしていきます。

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暑さ寒さを人間は皮膚温を基準に判断しています。深部体温はおおよそ変化しないよう36℃〜37℃に保つように身体が調整します。皮膚体温は外気と接するため温度の変化は深部体温より大きいです。概ね34℃〜37℃で調整されています。(発熱時、運動直後などは除きます。)

熱中症は「体温冷却機能の破綻」で起こります。熱中症予防のためにはまずここに注目する必要があります。熱中症対策の中で一番耳にするのは水分補給ですね。しかしこれは夏に限ったことではないです。身体が脱水の状態になって得することは何一つありません。汗は元々は血液の水分です。まさに汗の一滴は血の一滴!

発汗で脱水症状を起こすということは血液の粘度が上がって流動性が下がり、心臓の負担が増大することを意味します。このブログの読者の皆さんは「そんなこと知ってるよ!」って感じだと思いますが、水分補給は一時間にコップ一杯(200cc)が運動をしなくても飲む量の目安です。

 

それよりも、熱中症対策で盲点になっている事があります。それが「湿度」です。熱中症といえば異常に高い気温、それに対してエアコンを使うことや水分の充分な補給はよく聞きますが、意外と湿度については「蒸し蒸しして温度がさがらない!」といった事くらいしか聞きません。湿度を考慮する理由は気温が下がりにくいからだけではなく、汗がちゃんと体温調節を果たせる状態にあるかを確認するためです。

実は汗をかくだけでは体温は下がりません。皮膚表面で「蒸発」することで気化熱を奪います。つまり蒸発するプロセスが必要なのです。湿度が高い状態というのは蒸発する水分量そのものが減ってしまうのでその分だけ体温を下げる力は低くなってしまうのです。そういった場合は首元、腋下、大腿部内側付け根のいずれかを冷やしてください。これは静脈血を冷やすためです。静脈血が冷えて始めて深部体温が下がります。

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(日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」より)

上記の表は、気温と湿度を縦軸と横軸で表しています。例えば、本日7/24の気温は36℃で湿度が30%でした。表を見ると赤の「厳重警戒」になります。外出する時などぜひご活用ください。

温度だけが高いのであれば、砂漠は日中50℃を越えることがありますし、サウナに至っては100℃くらいありますが人は死にません。それは気温は高いですが湿度が低い状態だからです。同じサウナだかといってミストサウナを100℃にしたら人間はすぐに死んでしまいます。これが湿度を見落とさないでくださいという理由です。

熱中症は、あくまで「体温の冷却機能の破綻」で起きるということを覚えておいてください。

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熱中症の症状にはビジネスはもちろん日常生活に支障をきたす症状が多々あります。

・頭痛

・めまい

・だるさ

・吐き気

※他にも重症化すると真っ直ぐ歩けないなどの症状もでますがそこまでいくと即病院にいくべき段階なので今回の話からは外します。

これらの症状を少しでも感じたら気温と湿度のチェックをしてください。そして過去一時間以内に水分(水か麦茶)をのんでいない場合はしっかりのんでください。

※コーヒーや緑茶にはカフェインが入っていますので利尿作用があるので水分補給というより脱水補助になります。カフェインが入っていない炭酸のジュースなどは糖分の代謝のために体内の水を消費しますので同じく脱水補助になります。

最後に万が一熱中症になってしまった場合の応急処置のフローを載せておきます。

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ここで注目は、②の「体を冷やす」段階における「冷やす場所」です。みなさんが冷やすといえばここでしょ!っていうところを冷やしていない事にお気付きですか?

 

そう!「おでこ」です。風邪で熱がでた時に冷やす定番といえばおでこ。風邪の時は体に侵入した菌を炎症反応を起こして身体が菌に対抗して発熱しているだけで、体温調節機能が失われたわけではないので落ち着いてくると熱は発汗とともに自然とさがるので頭痛を抑えるためという目的でおでこを冷やすのは問題ありません。

しかし熱中症の場合は大問題です。おでこを冷やすと脳が冷やされ、「もう充分体温は下がった」と勘違いして発汗を止めてしまいます。ただでさえ「体温冷却機能の破綻」で起こっている熱中症に発汗が止まるとさらに体に蓄積される熱は高くなっていきます。重症化リスクがありますのでここはしっかり押さえておいてください。

 

身体の何気ない機能の偉大さはそれを失った時にとてもよくわかります。体温調整機能などはまさにそれで、普段は意識しませんがそれが失われた時の大変さは想像を絶します。耳にたこができるほど聞かされた水分補給などをしなければならない理由を理解して少しでも実行していただければ幸いです。