Karada Quest.

トレーニングを通して ビジネスパフォーマンスの最大化に挑戦するブログ。ここでいうビジネスパフォーマンス最大化とは「常に全力を発揮できる」ことを指します。全力を出せないのに成果も成長もありません。オフィスワーカーの皆様の為になる情報を発信できればと思っています!

【アクティブレスト】休みの日に運動する人、寝てる人。

今日のテーマは「アクティブレスト」です。この言葉は聞いたことがある、中身もよく知っている、全く知らないなどさまざまだとは思いますが、要は「身体を最大限に回復させる方法」です。

皆さんは仕事がなくてもお忙しい日々を送られていると思いますが、完全オフの日を設けていますか?

「忙しい」というのは文字通り「心を亡くす」こと。忙しさは思考する時間と余裕を奪います。僕はフリーランスなので仕事を入れたいだけいられてしまいます。日々の仕事をこなしていくことに必死になります。そして、必死さが余裕を奪い、しばらくするとそれを奪われていることにも気づかなくなります。僕はそれをコロナの自粛期間に気付きました。「何もしない日」の大切さを。新しいアイデアが必要な時などに是非「何もしない日」をスケジューリングしてみてください。

 

◎「何もしない日」に運動はする?しない?

さて、何もしない日をスケジューリングしたとして、その日に身体の最大回復を図ろうと思ったら運動はしますか?しませんか?

実はこれ「身体の状態による」が答えになります。昨今のフィットネスブームによって、身体を動かすことはどうやら身体の回復にもいいらしいということを知る人は増えました。しかし、いつでもそれさえやっておけば最大の効果を得られるというものはありません。

 

◎運動(トレーニング)を「休息」として使うかどうかは「疲労の原因」をチェックする

では運動が「休息」として効果的な場合とそうではない場合の基準をみていきましょう。

運動が「休息」として大きな効果を発揮するのは疲労の原因が「脳疲労」だった場合です。具体的にはデスクワークが一番代表的です。デスクワークを長時間すると、股関節が動きません、呼吸数も減ります。姿勢も崩れていることが多いでしょう。そうなると休息のポイントになっている「血流」が阻害されます。椅子に座っているということは股関節を曲げて、ハムストリング(太腿の後ろ側)を体重をかけて圧迫します。動脈や大きくて拍出サポートの能力が高いハムストリングスを長時間圧迫し続けます。猫背になりやすく、姿勢を維持するのに本来使われる背中の筋肉も使えなくなります。その上基礎代謝の20%を占める脳はフル回転させるわけです。デスクワークが高血圧やその他生活習慣病を誘発してしまう原因はここにあります。運動してないのに疲れるのではありません。運動してない(身体が動いていない)から疲れるのです。運動することによって全身の筋肉をポンプとして使い、血液の体内循環の回数を増やし、毛細血管の隅々まで血流が行き渡ることによって特に脳内のストレス物質(ホルモン)、老廃物の代謝が起こります。老廃物とストレス物質の除去によって脳は疲労を感じなくなり全身が回復するということです。血流が隅々まで行き渡ることによって細胞の酸欠によって起こるガンを予防する効果も期待されています。ガンは細胞が無酸素でも生きていける状態に変化したものでもあるからです。以上をみてお分かりいただけるようにデスクワーカーにとってアクティブレスト(トレーニング)はとても効果的です。

逆に効果的までは言えない場合は「筋肉痛が残るほどの運動をした翌日」などです。その場合特に筋肉に炎症が残っているので「トレーニング」と呼べるほどの運動は控えてください。散歩や歩くスピードで行うスロージョギングなどは促進のためにやっていただいても大丈夫です。しかし筋肉痛がある場合に必要なのは十分な睡眠です。睡眠が十分(普段の10%増)でない場合は仮眠を取ったほうがいい場合があります。

 

◎アクティブレストに必要な運動量と形態

先でも説明したように回復を促進するのに注目するべきは「血流」です。つまり、身体が圧迫されている面積が小さい状態が理想です。宙に浮かない限りどこも圧迫されないのは難しいので理想は立位(立ち姿勢)です。そして、大きな関節(肩、股関節)を動かすものがいいので歩く、ジョギングなどはよく利用されます。その場で行うスクワットが有効なのもこの条件を満たしているからです。理想的な姿勢でなくても圧迫や屈曲を長時間持続的に行わなければいいだけなのでほとんどの運動は強度さえ間違わなければ有効であると言えます。シンプルに「なんでもいいから身体を動かせ」となるわけです。

健康維持のために身体を動かせというのはいろんなところで言われますし、フィットネスが浸透してきた現代においては常識と言っても過言ではないでしょう。それでも身体を動かしたくない方もいらっしゃると思います。せめて何をどれくらい動かせば健康維持になるのかを把握していただいて最低限でいいので運動を生活のルーティーンに加えていただけたらと思います。運動する具体的価値を知っていただいて少しでもやる気になっていただければこれ以上嬉しいことはありません。

【筋膜リリースとストレッチ】筋肉を伸ばすことと、リリースすることの違い

今日のテーマは「ストレッチと筋膜リリース」の違いについてです。

この二つはイメージが近いため勘違いしやすいですが全く違うものです。今日はその違いとそれらをどのように使いわければいいかをお伝えしていきます。

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◎筋肉の構造を理解せよ

最初のミッションは「筋肉の構造を理解する」です。

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図の通り筋肉は三段構造になっていて、筋肉を細かくみていくと筋原繊維という繊維としては一番細い繊維を筋内膜が包んでおり、筋内膜で括られた筋原繊維の束を筋束といい、複数の筋束を筋周膜が包んでおり、筋周膜に括られた筋束の集まりを筋外膜が包んで【筋肉】と呼ばれるものを構成しています。つまり、繊維状の細胞を膜で包んで束にしてまとめたものということです。イメージは「電線の束」です。昔工作にハマったことがある方はイメージしやすいかもしれません笑

 

◎ストレッチとリリースの違いを理解せよ

次のミッションは、ストレッチとリリースの言葉の定義を理解することです。これはとてもシンプルです。

ストレッチ=筋肉を引き伸ばす

リリース=癒着しているところを動くようにする

ストレッチは思った通りだと思いますのでリリースについて説明していきます。

筋肉は繊維状の細胞を膜で包んで束にしたものだといいました。例えば運動不足のかたの筋肉がどうなっているかというと、負担身体を動かさないので筋繊維は伸びにくくなります。伸びにくくなる理由は複数ありますが、主な原因は「血流が滞る」ことです。座る姿勢を長時間とっている場合、太腿の裏側には体重がかかるため血管は圧迫されています。その上、同じ姿勢を維持するので筋肉の伸び縮みはほとんどありません。筋肉にはポンプとして心臓のサポートをする役割があります。複雑に入り組んだ毛細血管の隅々まで血液を送り出すことは心臓のみの圧力ではできません。力ではできるとしても、その力を発揮した瞬間に動脈が負荷に耐えられず破裂します。そこで心臓から送られた血液を隅々に行き渡らせる手助けをしているのが筋肉です。筋肉の伸び縮みによって筋肉の厚みが増したり減ったりすることで血液を押し流す役割をしているのです。なくなりかけのマヨネーズや歯磨き粉のチューブを割り箸や指で端から押し上げるように絞るのに似ています。運動不足が高血圧につながるのは本来心臓のサポートをしている筋肉があまり動かないために心臓への依存度が増し、心臓が拍出する血液の圧力を強めてしまうからです。身体もチームワークが大切ということです。

話を戻すと、伸びなくなる筋繊維に対してそれを包んでいる膜はどうでしょうか。膜には血管は通っていません。血流が理由で硬くなることはありません。問題は動きが少なくなることで脂肪や老廃物が入り込みやすくなり、膜同士を癒着させてしまうことです。長年本棚にしまっていた本の表紙同士がくっついて離れなくなってしまうような感じです。膜が癒着してしまうと筋繊維に問題がなくても動きとしては伸びなくなります。膜が掴まれているのでうまく動けないのです。サッカー選手が服を引っ張られて動けなくなる感じに似てるでしょうか。ここで登場するのが「筋膜リリース」です。癒着は脂肪などで膜同士が接着されてしまう事によって起こるので、皮膚の上から圧迫刺激を入れてあげることで膜に横移動の負荷がかかり剥がれやすくなるのです。最近は振動するストレッチポールもあるので膜の横滑りをより促進してくれることになります。そして筋肉は三段構造だといいました。もしその癒着が筋内膜のところで起こっている場合はかなり深いところになるのでしっかり圧力をかけないといけなくなります。それが自重をしっかりかけなさいと言われる理由です。筋肉によっては痛すぎて自重なんてかけられないという場合があります。その場合は「痛気持ちいい」くらいを目安に圧をかけてください。

 

◎筋膜リリースのやり方をマスターせよ

3つ目のミッションはリリースのやり方をマスターすることです。それでは筋膜リリースのやり方です。

①ストレッチポールなどのギアをリリースしたい筋肉に当てます。

②自重をしっかりかけた上でゆっくり筋肉の流れに沿って動かします。

 

やることはとてもシンプルです。筋膜の癒着が起こりやすいのは圧倒的に大筋群です。特に太腿、背中、お尻、腰はリリースされないと本来の力が発揮できず腰痛、肩こりの原因になりますのでしっかりリリースして問題がない状態をキープしてあげることが大切です。筋肉が真っ直ぐの位置関係で付いていることは稀です。目的の筋肉がどこからどこに向かってついているかを確認してからやってください。

 

◎ストレッチとリリースのタイミングをマスターせよ

ストレッチとリリースにはそれぞれ適切なタイミングがあります。まずはストレッチ。筋肉は一度に40秒以上伸ばした状態を続けると可動域は広がりますが、筋出力は20%ほど落ちてしまいます。つまり運動前のストレッチは短く、または動きを伴うもの(ダイナミックストレッチ)が適切です。よくわからないなという方は運動前はリリースをしてください。

ストレッチは筋肉のリラクゼーション効果と可動域確保に効果的です。運動後にストレッチを入れることで筋肉痛の治りが早かったり、しっかり鍛えても関節可動域が狭くなるのを防げます。(綺麗な身体のラインは可動域をしっかりとったトレーニングでしか作れません。)

 

◎まとめ

リリースとストレッチの違いは分かっていただけたでしょうか?大きくまとめると「膜を滑らせるリリース、繊維を伸ばすストレッチ」です。

それぞれに適切なタイミングがありますので、特性を理解した上でご自身の運動に生かしていただければと思います。

何か質問があればコメント欄にお願いいたします!

【肋骨を締める】ウエストのくびれを綺麗に出す方法

こんにちは!トレーナーの大木です。

本日のテーマは肋骨の締め方についてです。デスクワークを日常的に行うと、胸郭上部の動きが悪くなりやすいです。原因は目の高さより下にあるパソコンなどの画面を見る時に自然と猫背になり、肋骨の隙間を縮めた状態を長時間続けてしまうことです。

肋骨をしっかり締めることができるようになると、呼吸が深くなるという機能的メリットの他にウエストのくびれが美しく出るという見た目のメリットもありますので、仕組みとやり方を理解してしっかりやっていただきたいと思います。

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胸郭は12個の椎体(背骨または胸椎の一個一個)から伸びた肋骨で構成されています。胸郭は6番肋骨と7番肋骨の間で動きが分かれます。

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ここではなんとなく「上半分と下半分では肋骨の動きが違うんだな」くらいで覚えておいてください。

その肋骨ですが心臓や肺を守る役割の他に、呼吸の時に肺の動きをサポートするという役割があります。肺は平滑筋(自ら伸縮しない筋肉。主に内臓を構成する)であるため横紋筋(自ら伸縮する筋肉。主に骨格筋を構成する)の助けを借りて膨らみます。そのために肋骨の動きが大切になるということです。肋骨は上にいけばいくほど動きが制限されやすくなります。

 

◎肋骨上部を動かす方法

ここから実際にやり方を説明していきます。

①まずバスタオルを一枚準備します。(ウエストを一周する長さの布ならなんでもOK)

②それを剣状突起(肋骨が交わるところ)より下に巻きます。

③息を軽く吸ってから、深く吐きながらタオルを締めていきます。そうするとウエストがとても絞られる感覚になるはずです。

④タオルは締め付けたまま息を吸います。その時、胸部が膨らむように息を吸います。

※この時肩が上がりやすいので注意。体幹の動きを制限されている時に呼吸を止めないために肩が補助的に動きます。肩こりの原因になったり、肋骨の上部が動かなかったりするのでお気をつけください。

⑤最大限胸を膨らませたらゆっくり息を吐きながらウエストを締めていきます。

以上を10回繰り返してみて下さい。

肩こりが楽になったり、呼吸が深く吸えたり、腹筋に力が入りやすくなったりします。

あまりそんな感じはしませんが、肋骨の付け根(背骨と肋骨の境目)も「関節」です。関節は必要な可動域があります。それをしっかり確保してあげることが、筋肉の正常な働きと相関しています。

肋骨に限らず、筋力の左右差や身体が硬いなどのお悩みがある方は関節の動きに着目してみてください。

意外なところに原因を発見することができると思います。

【重心をずらさない】重心をコントロールしてトレーニング効果を最大化する方法

今回のテーマは「重心をずらさない動き方」です。

トレーナーの大木扶美彦です。ここで質問です。みなさんはトレーニングやエクササイズの時何を意識してるでしょうか?

筋肉の収縮に意識を向けてる方が多いのではないかと思います。筋肉は収縮する方向と逆の方向に負荷がかかっているときに鍛えられるのでそれは間違っていません。しかし、動きに入るまえに意識してほしいことがあります。これからそれを解説しつつ、その作り方をお伝えします。

まず大前提として筋トレは狙った筋肉に狙った負荷をかけて、怪我にまで至らない筋破壊を起こし筋肉が再生の過程で以前より筋肉が強く成長しようとするストレス反応を利用したものであるということです。筋肉のストレス反応を引き出すためには筋肉にかかる負荷がその筋肉が持っているキャパシティを超えないといけません。つまり基本的には全く同じ軌道、スピード、力のベクトルで負荷を動かせることが理想です。筋肉は休憩時間と共に回復しますので、動いている間は筋肉をできるだけ休めない方がいい。しかし脳は筋肉の悲鳴を敏感に感じ取り他の筋肉で動きを代替させて負荷が一箇所の筋肉に集中させないようにします。一箇所に負荷をかけすぎた事によって痛みが出て逃げたり戦ったりするのに不利になるのを防ぐための生存戦略です。しかし野生動物に襲われることもなく狩猟を中心としなくなった現代社会で身体を健康な状態に保ち、思ったような身体を作っていくためには今までとは真逆の「同じ筋肉に負荷をかけ続けることができる」というのが必要になってきました。

筋トレに話を戻すと、回数を連続で行う種目においては基本的にスタートするポジションがあり、同じところがゴールになっています。スクワットを例に出すと直立しているところがスタートポジション、そこから動き始めてしゃがみきったところから立ち上がって再びスタートポジションに戻ってくる。この一連の動きの基礎になっているのはスタートポジションでの重心の位置と姿勢の作り方です。

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◎スタートポジションを作る

①直立する

②体重が身体のどこにかかっているか確認する

③股関節以外だと感じる場合は重心を前後にわざとずらしてみて股関節に重心がのる場所を探します。

スクワットの例を出したのでスクワットで説明していきます。まず直立姿勢を作ります。このときに重心の位置を確認することがとても大切です。足の裏にかかっている重みが前寄りか後ろ寄りか、股関節に荷重できているか。スクワットをはじめとする立って行うトレーニングは特に股関節で重心を感じられることがとても大切になります。重りを何も持っていないと重心は意外と感じにくいのでダンベルなどを持って確認するとわかりやすいです。

 

◎股関節の位置の確認

図にある上前腸骨棘と股下を結んだラインの中間の奥にあります。そこを指で少し強めに押してみましょう。どうでしょうか?思ったより内側ではありませんでしたか?スクワットをするとき意識するのは大臀筋あたりだと思うのですがそれだと外側に寄りすぎて脚の外側ばかりトレーニングしてしまいます。体重を乗せるのはあくまで股関節であり、股関節が伸展するとき(スクワットでは立ち上がるとき)に働くのが大臀筋ということです。

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◎動きのポイント

・しゃがみはじめに重心が股関節から大腿四頭筋に移動しないように注意。

→膝から曲げると起こります。スクワットは椅子に座るようにお尻を後ろに引きながらしゃがみます。

・しゃがんでいるところから立ち上がる切り返しのところで一番力が要ります。

→立ち上がるときのイメージは「骨盤を持ち上げる」。「膝を伸ばす」にならないように注意。

・腰を反る代償動作に注意

→上半身は常に広背筋で肩を下制(肩がすくまないように下に引っ張っておく)させ、肋骨の下辺が開かないように体幹部を安定させます。

 

情報量が多くなってしまいましたが、他の種目でどうすればいいかわからないものがある場合などご質問いただければと思います。

重心をコントロールできるようになることは歩行の安定にもつながり、それによって日常の代謝が上がります。

ぜひマスターしてください!

【負荷を抜かない後編】トレーニングが圧倒的に効果的になる方法

後編を始めたいと思います。

前回は同じトレーニングをしていてもできる時間が伸びる人とそうでない人がいるのはなぜかというお話をしていました。これの答えは「代償動作」です。

刺激持続時間の最大の壁である「しんどさ」が原因です。体は狩猟生活の名残からいつ敵が現れても、いつ獲物が現れても逃げる、または捕獲する準備を整えるように体力を調整します。その準備をする際にどこか一箇所の筋肉だけが極端に疲れている状態というのは望ましくない。なので、ある筋肉が疲れたらそこを休ませるために似たような働きをしている筋肉に役目を交代させようとします。これを「代償動作」と言います。代償動作は本来使うべき筋肉を休ませて代わりの筋肉を働かせている状態ですのでそこにかかる一回の刺激の強さが強いほど、負荷の持続時間が長いほど怪我や慢性疼痛のリスクが増します。肩こりや腰痛もこの代償動作に起因して起こることがあります。

         同じ筋肉に負荷をかけ続ける

レーニングの一番のポイントはこれです。だから意識が必要なんです。収縮する筋肉を意識していないと脳が自動で代償動作を初めてかけるべき負荷を本来の場所から他の筋肉に渡してしまうので。筋肉は今持っている力の100%を超えた刺激が加わるとより強くなろうとします。筋トレと呼ばれるものは大体が筋肉のストレス反応を利用したものです。つまり100%以内の負荷であればこれ以上大きくなったり強くなったりしようとはしないのです。なぜなら強く大きな筋肉は大きなカロリー消費がついてまわるので、身体にとっては維持費が高いのです。燃費の悪いアメリカ車に乗ってるイメージでしょうか。でもパワーはすごい。それを日本車のプリウスに乗り換えるとどんな悪路も走破できるほどの「パワー」は期待できないもののガソリン代をやすくすることができます。体にとってカロリー(ガソリン)はなくなると死にますから、カロリーを支払って維持している大きな筋肉をできればコストの安い筋肉にサイズダウンしたい。だからトレーニングを怠ると筋肉が落ちるという現象が起きるのです。

スクワット、プッシュアップ、デッドリフトプランク、シットアップetc... 全ての筋肉を狙ったトレーニングの場合必ず狙っている筋肉があります。それを「主動筋」といいます。この主動筋に負荷がかかり続けるようにすることが大切です。エクササイズと主動筋を載せておきますので参考にしてください。

スクワット・・・大腿四頭筋

プッシュアップ・・・大胸筋

デッドリフト・・・大臀筋ハムストリングス

プランク・・・腹筋群(腹直筋、腹斜筋、腹横筋)

シットアップ・・・腹直筋

懸垂・・・広背筋

レッグレイズ・・・腹筋群(主に腹横筋)

是非この例を参考に1日一回でもいいので「主動筋に負荷を乗せ続ける」練習をしてみてください!

【負荷を抜かない前編】トレーニングが圧倒的に効果的になる方法

トレーナーの大木扶美彦です。

前回まででトレーニング中に意識してほしい三原則をお伝えしてきました。

復習すると、

⑴腹圧を使う

⑵動くところと止めるところ(可動性と安定性)を意識する

⑶収縮している筋肉を意識する

 

以上三つでした。今日はそれを理解していただいた上でトレーニングをより効果的にしていただくためのポイントをお伝えします。

まずトレーニングとはということを改めて考えてみたいと思います。筋肉に対するトレーニングは筋肉のストレス反応を引き出すのが目的です。トレーニングによって筋肉に強い刺激を与えてオフになっている神経を促通したり、筋繊維を肥大するよう反応させるのです。その際、刺激の強さと持続時間がポイントになります。なので反応を引き出すのは、

     一回あたりの刺激の強さ×刺激の持続時間

ということになります。一回あたりの刺激の強さは扱う道具の重さで負荷調整を行なった場合は変動しません。つまり、刺激の持続時間をながくする、厳密に言えば目的(筋肥大、シェイプアップ、筋持久力アップ、パワーアップなど)に対する適切な刺激の持続時間がエクササイズ効率化の最大の鍵になります。

◎意外と難しい持続時間の維持

「なるほど。かかるべきところに負荷がかかった状態をたもてればいいんだね!」とおもったあなた。理論上は正解なんですがここで問題になってくるのはそれが「想像以上にしんどい」ことです。たとえばプランク。肘とつま先で体幹を腹圧を入れたまま保持します。この際、負荷が一番大きくかかるのは腹部。30秒で結構しんどく感じます。女性なら30秒が限界ということもあるでしょう。ここで負荷のかかり方が適切であった場合は繰り返していくうちにプランクを持続できる時間は伸びていきます。それは男性も女性も同じ。1分くらいはだれでもできるようになります。しかし現実はそうなっていない人もたくさんいます。なぜでしょう?

 

長くなりすぎないように後編に続けたいと思います。

今日はエクササイズの負荷の計算

負荷の総量=一回あたりの刺激の強さ×刺激の持続時間

を是非覚えてください!それでは後編へ続きます!

【止めるところと動かすところ】知ってると知らないでは大違い!「意識する」ことの意味

トレーナーの大木です。

今日のテーマは「止めるところと動かすところ」です。筋肉というのは「縮む」という力を使って身体を動かします。この「縮む」という動きは二点が近づく動きとも言い換えることができます。二点が近づく場合、両方の点がお互い近づくこともありますが、身体においては安定した点に対して可動性の高い点が近づいていくことが基本です。つまり、動いてない点に向かってもう片方が近づく動きになるということです。

言葉だけだとわかりにくいので具体的な例を見て行きます。例えばアームカールだと上腕二頭筋という筋肉が収縮します。この時止まっている点は上腕骨の付け根、動いているのは前腕という事になります。

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筋肉を使うということは筋肉の始まりと終わりを近づけることを言います。専門用語で言うと「起始・停止」と言います。これを詳しく教えてくれるのが解剖学ですが、これを全部やろうとするとかなり時間がかかってしまうので代表的なエクササイズの止めるところ、動かすところをいくつか書いておきます。

プッシュアップ

動くところ:肩関節・肘関節

止めるところ:脊柱全体・股関節

 

シットアップ

動くところ:胸椎(胸)

止めるところ:骨盤

 

スクワット

動くところ:股関節、膝関節

止めるところ:脊柱全体

 

マウンテンクライマー

動くところ:股関節・膝関節

止めるところ:脊柱全体(主に腰椎)

 

これらを見ていて気付いた方もいらっしゃるかもしれませんが、脊柱は圧倒的に「安定」していた方がいい場合が多いです。それは止める側に入るということです。細かくいうと胸椎は結構動きますが、腰椎はほとんど安定です。そのために腹圧が必要になってくるということです。

そして動くところと止めるところは「関節」ごとに理解していただいた方がわかりやすいです。筋肉毎に考えると種類が多くなりすぎてしまいます。

止めている場所があるからそこに向かって収縮できる。筋トレをやるときに少し意識してみてください。効果がまるで変わります。